長岡市腰痛治療むち打ち症治療,膝関節痛治療骨盤矯正といえばきむら接骨院(併設:長岡骨盤矯正療院)

腰痛と諸条件

腰痛は生涯発症率でみると,国や地域によって非常に数字に開きがある疾患です。 タンザニアのハザ族という狩猟民族の人々は,「怪我以外で腰が痛くなるようなことはない。」と ある調査に対して答えているそうです。彼らは,調査担当者にこうも言ったそうです。 「怪我もなにもないのに腰が痛くなるなんて,あんたたちは悪い病気じゃないのか?」 彼らの生活を想像しながら,腰痛について,ちょっと考えてみましょう。
  
注)腰痛と椎間板の関係については,こちらで触れていますので,これを前提と考えてお読み下さい。
  

1:腰痛と老化:「加齢・老化が原因」は科学的・統計学的に正しいのか?

腰痛で医療機関を受診し,腰痛と老化が関連あるように説明を受けたことのある方は,
少なくないと思われます。「歳のせいだね。」とか「この歳になると,もう治らないかも知れませんね。」
とか。
  
この手の話は,背骨や椎間板の老化で腰痛が起きるという,科学的根拠に乏しい,
いわば迷信のような話です。
  
腰痛は,高齢者特有の症状でないことは,皆さんご存知のとおりです。
小学生あたりの年齢から有訴者(「腰痛を訴える人)が出てきて,思春期あたりには
成人と同じくらいの発症率になり,発症率のピークは35歳~55歳くらいだそうです。
老化が腰痛の原因というのなら,発症率ピークがもっと上の年齢層になりそうなものです
  
腰痛の生涯発生率は,国や地域によって11~84%と,約8倍ほどの差があり,
年齢=老化現象に理由を求めると,この大きな差の説明がつきません。
  
よって,「腰痛の原因は老化」説は根拠希薄でしょう。
  
高齢者の方には,接骨院整骨院で,あるいは医科で腰痛治療(?)を受けておられて,
「なかなか良くならない」,「変わらない」と施術者に言ったところ,「『変わらない』ということは,
腰痛は悪くなっていないのだ。腰痛が悪くならないのは,良くなっているということだ。」という
わけのわからない説明を受けたことがある方がいらっしゃるかも知れませんが,これは
  
加齢→老化進行→背骨・椎間板の老化進行→腰痛が悪化するはず
  
という根拠希薄な説に基づく苦しい言い訳に過ぎないので,右から左に聞き流しておいて
構いません。ご高齢の方であっても腰痛が治る可能性は,十分にあります。
  
ただ,有効な治療法であれば,年齢とは関係なく何らかの改善が感じられるはず,
とだけ申し上げておきます。
  

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2:腰痛は職業病か?

古典的(つまり「古くさい」)腰痛概念では,腰痛は腰部損傷と考え,仕事と関連する職業病であるとも考えて来ました。
ですから,重いものは持つな,正しい姿勢はこうだ,コルセットをつけろ,等々腰への負担を減らそうと
あれこれ言って来ました。これらは,いわゆる人間工学の理論に基づいて言われて来たことですが,現在までの
結果としてはお世辞にも良好とは言えないようです。
  
ただ,「腰痛は職業病」ではありませんが,ある意味においては職業は腰痛発症因子となる
可能性があります。
  
さて,その前に,腰痛患者の85%に症状を引き起こす原因を考えてみましょう。
日本では具体的な腰痛因子がまとめられていないようですが,欧米諸国ではこれがまとめられ,
発表されています。様々な腰痛因子が7つのカテゴリーに分類されていますが,この7つのうちの
一つに,「仕事の問題」というカテゴリーがあります。このカテゴリーに10個の因子があげられています。
  
1:農業,漁業,林業,建設業,看護師,トラック運転手,作業員といった重労働の職歴
6:物を持ち上げる,重いものを取り扱う,座りっぱなし,立ちっぱなし,車の運転,振動,
  無理な姿勢や同じ姿勢を強いられる,休みが取れない柔軟性のない勤務スケジュールなど,
  生体力学的影響を強く受ける仕事
  
この二つは,一見「腰痛職業病説」の因子のように見えますが,
  
3:仕事は腰を傷つける危険で有害なものだと信じ込んでいる   
この,因子:3に繋がる因子として列挙されているものです。(さらに言えば,一般に「信頼度が高い」と
思われているメディアがそのように扱うので…という要素もあると思います。例えば「装着型ロボット」の話題を ニュースで取り上げる際に,使用が予想される具体的な職種や業種を挙げると…)
即ち,人間工学的悪影響因子として考えられてきたものであり,これが因子:3,
因子:3から派生的に考え得るものが,因子:1と因子:6です。
こう考えると,腰痛予防に役を為さなかった人間工学理論を信じ込んだために,
因子:3となり,そこから因子:1と因子:6が出てきたというわけです。
  
ですので,因子:1に該当する人は,因子:3を持っている可能性があり,
因子:6に該当する人も,やはり因子:3を持っている可能性があるという
意味です。(刷り込み,思い込み等に起因)
また,因子:3だけの人に比較すると,心理的ストレスが関与している可能性が
高いように思います。
  
その意味で,職業は腰痛発症因子となる可能性があると言ったのであって,
腰痛は決して職業病ではありません。
ですので,腰痛のために仕事を変えるとか今の仕事を続ける限り,腰痛は治らない
などとあきらめる必要はありません。
  
(※2017. 1.30加筆 だいぶ前のブログに書いたことですが,どの職業・職種の方に腰痛の方が多いのかを調査した結果, 無職の方に腰痛を訴える方が一番多かったのだそうです。こうなると,もはや腰痛が職業病と 考えるのは,事実にすら反すると考えても差し支えないと思います。)
  
繰り返しになりますが,腰痛は決して職業病ではないのです。

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3:腰痛と人間工学的治療/予防

  
前項:腰痛と職業 で,腰痛への人間工学的アプローチに少し触れました。
もう少し触れてみたいと思います。
  
コルセットやサポートベルトは,本当に腰痛予防治療に役立っているのでしょうか?
腰を守り,少しでも負担を減らそうと考え,結果間違った意識を腰痛患者さんに植え付けては
いないのでしょうか?あるいは,腰痛予備軍のような人を増やしている可能性はないのでしょうか?   
コルセットやサポートベルトを使っている患者さんに伺うと,「着けていると安心感がある」という答えが
返ってくることが多いのですが,このことは逆に言えば,「着けていないと不安」ということです。
(刷り込み,学習等に起因)
これは,コルセットやサポートベルトへの依存の言語表現であり,「腰は壊れやすい」という思い込みの
現れかと思います。コルセットやサポートベルトは,こうした思い込みを信念のレベルにまで
押し上げてしまう可能性があるのではないでしょうか?
  
安易に「根本原因からの治療」を看板に掲げる施術所や整体屋さんが増えていますが,皆さんは
毎回の「治療」の後にコルセットやサポートベルトの装着を勧められていませんか?
そういう施術所や整体屋さん,あるいは接骨院整骨院や医科にもあるかも知れませんが,
「安全策」をとろうとする気持ちや誤った「常識」から,患者さんに間違った思い込みを惹起させて
いるかも知れないと,私は思います。

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4:腰痛と体型/体格/体重

さて,老化と並んで腰痛の原因と誤解されている体型(体格/体重)。はっきりと言ってしまえば, ズバリ肥満なのですが,これは
  
腹部肥満傾向の方は,立位で腰を反らせがち→椎間関節症
  
ということなのでしょうが,腰痛と診断名の項で触れたとおり,椎間関節症との診断が「確証が持てない」との ことですので,診断としての価値がない以上,腰痛の原因としての肥満については,考えるに値するものではないと考えます。

(2016年 3月17日 加筆)
「腰を反らせがち」という姿勢要因が出て来たところで,姿勢の要素と
腰痛について加筆します。
私は,姿勢の要素と腰痛とは原因と結果の関係にはない,と考えています。
(頸部痛や他の関節痛等も同様でしょう。)
正確には数学で言うところの「必要十分条件の関係にはない」という意味です。
ですが,当院での施術後の腰痛患者さんは,急性か慢性かの如何を問わず,
皆さん「痛みの大幅な軽減」と「腰が伸ばせる」ということをおっしゃいます。
これを以て,「腰痛の原因は不良姿勢」と言うのは,早計且つ短絡的なのでは
ないか?ということです。

そもそも,姿勢の評価を「良い」や「悪い」でするなら,「良い」であるに
こしたことはありませんが,そこにこだわる必要はないのではないか?
また,「正しい姿勢」は「姿勢を正す」から出た言葉かと思いますが,
姿勢が「正しい」とはどういうことか?どういう意味か?「正しい」の
反対語は「誤り」や「間違い」ということになろうかと思いますが,
それは一体どのような姿勢の状態を指すのか?を考えれば,姿勢の良い
腰痛患者さんが増えたことにも,納得がいくと思います。

5:「足(または脚)から腰痛を改善」?

  
「足(脚)から腰痛を改善しましょう」との文言を,最近ウェブ等の広告で見かけます。 それで改善が見られたからといって,普遍的事実と考えるのは科学的思考に反します。 例えば足底板(インソールまたはインナーソール)やシューリフト。これらで本当に「改善」したのなら, それはプラシーボ効果と考えるのが妥当でしょう。足や脚に対するマッサージ様手技や 体操の補助のようなことでそれが起これば,なおのこと。 (シューリフトやインソールを使った二重盲検は不可能なので、明言はできません。 何故プラシーボだと言えるかは,本当に専門的に医学を勉強された方でないと理解できない かも知れません。仮にそれらがプラシーボでないとして,ならば何故に 欧米腰痛診療ガイドラインのレッド徴候はもとより,イエロー要素にさえ「足」や 「脚」や「膝関節」あるいは「股関節」が出てこないのか?治療としてのシューリフト等の 有効性の評価が,「根拠不十分」であることを考えると,「腰痛改善には足から」というのは 「科学的根拠が不十分」とするのが妥当でしょう。)  
さて,この点を考えるに興味深い方が当院の患者さんにいらっしゃいます。この方は,鼠径部痛・大腿部痛で 来院されました。医科での診断は,特発性大腿骨頭壊死症

前頭断画像に,大腿骨頭壊死の所見が視認できます。

矢状断画像では,腰部の椎間板ヘルニアが視認できます。
鼠径部痛,大腿部痛で腰を「く」の字のように側屈し,苦悶の声をあげながら跛行。 (つまり,「体幹部傾斜」とか「股関節内旋」とか「膝関節内旋」,「足関節過回内」なんて,そんな生易しい ことを言っている状態の方ではないということです。) 腰痛はないとおっしゃいます。経過から言えば,現在は順調に回復過程にあります。 痛みへの施術をし,結果として歩容の改善がみられたというところです。歩容の変化等の所見と 痛み等の症状の変化は,原因と結果の関係にあるかは定かではない,というのが正直なところかと 思います。少なくとも,「歩容の変化が痛みの改善をもたらす」というに足るエビデンスはない, 姿勢と同様に科学的な意味でどんな歩容が「良い」のか「悪い」のか,「正しい」のか「間違い」なのか, 厳密には分かっていないということは言えると思います。

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